― “艶を捨てて、上品さを纏う” ―

今回ご入庫いただいたのは、ポルシェの中でも特別な存在、911 Targa 4 GTS
独特のシルエットとメカニカルな開閉機構が魅力の一台です。
ボディカラーは深く美しいジェントルブルー
艶やかな塗装面が見る人を惹きつける一方で、
オーナー様からは「飛び石や洗車キズの心配をなくしたい」「もう少し個性的にしたい」というご相談をいただきました。

そこでご提案したのが、ステルスプロテクションフィルムによるフルボディ施工
ただの保護ではなく、質感そのものを変えてしまう――
そんな“魅せるプロテクション”の施工が始まりました。


■ 下地処理 – 完璧な仕込みから全てが始まる

まずは徹底した洗車と脱脂作業からスタート。
細部の汚れや油膜を完全に取り除くことで、フィルムが正確に密着し、長期間の耐久性を確保します。
タルガの構造は複雑で、リアガラス、ルーフバー、そしてボディ後部の一体デザインが特徴的。
この造形の美しさを損なわないためにも、下地の整え方が非常に重要です。

水垢の除去や細かな鉄粉処理まで、細部にこだわり抜いた準備を施します。
“見えない部分こそ丁寧に”――
これが長年培った職人の信条です。


■ フィルム施工 – 曲線と光を読む手仕事

ステルスプロテクションフィルムは、通常のグロスフィルムと異なり、
半透明のマット質感を持ちながら、下地のカラーをしっかりと透かす特殊素材。
塗装の深みはそのままに、上品で滑らかな光の反射へと変化させます。

施工中はボディラインの流れを読みながら、熱成形を駆使してフィルムを一枚ずつ丁寧に貼り込んでいきます。
特にタルガのリアセクションは、カーブが多くテンション管理が難しい部分。
わずかなズレや気泡も許されない緊張感の中、
職人の手と目の感覚だけを頼りに、何度も角度を確認しながら作業を進めます。

その過程で感じるのは、ポルシェのボディデザインの完成度。
一見シンプルに見えて、どの面もわずかにアールがかかっており、光の流れが非常に繊細です。
だからこそ、ステルスフィルムのサテン調仕上げが生きる。
まるで彫刻のように立体感が増し、陰影の美しさが際立ちます。


■ 完成 – 艶からサテンへ、質感の進化

施工を終えたボディは、もはや別物。
艶ありのジェントルブルーは、サテンブルーへと生まれ変わりました。

マット仕上げの柔らかな光の吸収によって、存在感がぐっと増し、
見る角度によって深いブルーからグレーがかった落ち着きまで、
表情を変える贅沢な色合いに。

照明の下では静かに輝き、屋外の自然光ではしっとりと沈む――
そのコントラストがまさに“ステルス”の名にふさわしい佇まいを演出します。

リアウイングを上げた状態では、ラインの美しさが一層際立ち、
スポーティさとエレガンスが絶妙に融合。
ボディ全体を守るフィルムでありながら、
見た目の印象をここまで変化させられるのは、このステルスシリーズならではです。


■ 機能性 – 美しさと防御力の両立

もちろん、見た目だけではありません。
ステルスプロテクションフィルムは、飛び石、虫の付着、洗車キズ、紫外線などから塗装をしっかり保護。
自己修復性能を持つため、軽微な擦り傷であれば、熱によって自然に復元します。
施工後も通常通りの洗車やメンテナンスが可能で、
マット特有の扱いにくさを感じさせないのも大きな魅力です。


■ オーナー様の反応

完成後、オーナー様がクルマをご覧になった瞬間、
「まるで新しい車みたいだ…!
艶ありのときとはまったく違う雰囲気で、より大人っぽく、存在感がありますね。」
と感嘆の声をいただきました。

お引き渡しの際、光の角度を変えて何度も眺めていらっしゃる姿が印象的でした。


■ まとめ

今回の施工では、保護と美の融合をテーマに、
911タルガの魅力を最大限に引き出す仕上がりを目指しました。
ステルスプロテクションフィルムは、
単に“守るためのフィルム”ではなく、デザインを進化させるカスタマイズパーツです。

マットの静かな存在感は、光沢の強い現代車の中で確かな個性を放ちます。
ポルシェの流麗なデザインを、より彫刻的に際立たせるこのフィルム――
所有する歓びを、もう一段階深めてくれる仕上がりとなりました。


施工車両:Porsche 911 Targa 4 GTS
施工内容:ステルスプロテクションフィルム フルボディ施工
フィルム特徴:サテン仕上げ・自己修復機能・飛び石保護・耐UV性能