■ ご依頼内容

今回ご入庫いただいたのは、迫力と優雅さを兼ね備えたクルーザー。
長年大切に乗られているお客様から、

「経年による色褪せや小傷をリフレッシュしたい」
「イメージを一新してモダンな雰囲気にしたい」
というご相談をいただきました。

ボートやクルーザーは常に紫外線や潮風、摩擦によるダメージを受けやすく、塗装面の劣化が避けられません。
しかし今回は再塗装ではなく、**ボディ全体をラッピングフィルムで包み込む“フルラッピング施工”**をご提案。

選ばれたカラーは、グロスメタリックグレー
上品でありながら精悍な印象を与える配色で、海上での存在感をぐっと引き立てます。


■ 施工準備

まずは洗浄・脱脂作業からスタート。
海上で使用されている船体は、塩分やミネラル分、ワックスなどが表面に固着していることが多く、
これを徹底的に除去しないとフィルムの密着に影響が出ます。

特殊な中性クリーナーを使用し、細部まで丁寧に洗い上げ、
表面の状態を確認しながら下地処理を行いました。

さらに、ボディ形状が複雑なクルーザーは、自動車以上に施工精度が求められます。
特に船首やバウ部分は曲面が強く、フィルムのテンションやヒートガンの温度管理が重要です。
この段階でフィルムの伸び方やしなりを確認しながら、施工範囲を細かく分割していきます。


■ ラッピング施工開始

いよいよ施工スタート。
まずは側面の大きな面積部分から貼り込みを開始しました。
船体のカーブに合わせ、ヒートガンで温めながら気泡を逃し、テンションを均等に調整します。

使用したのは高耐久のマリン対応フィルム。
紫外線・塩害・水圧に強く、海上環境でも長期間美しい状態を保つ仕様です。

グレーのフィルムは光の当たり方で表情が変わり、明るい場所では柔らかく、影の中では深みのある色合いを見せます。
船体ラインの美しさを際立たせながら、洗練された雰囲気をプラスしてくれます。


■ 細部の仕上げ

続いて船尾(リアデッキ)部分へ。
この部分は細かい段差や滑り止め加工などがあり、通常よりも難易度が高い箇所です。

一枚貼りではなく、細部ごとに分割しながらフィルムを丁寧に重ね合わせていきます。
段差の境目にはしっかりと圧着ローラーを使用し、浮きや剥がれが出ないように仕上げました。

リアステップ周りも同様に施工し、グレーで統一することで全体の一体感が向上。
もともとの白と黒のツートーンに、落ち着いたグレーが加わることで、
高級感と重厚感を兼ね備えた印象に変化しました。


■ 完成

施工後は全体を最終チェック。
ラインのズレや気泡の有無、エッジの密着状態を細かく確認し、
全体の艶感と色ムラを調整して完成です。

写真の通り、もともとの白×黒のカラーリングから、
グレー×ブラックの都会的でモダンなデザインへと変貌を遂げました。
照明の下での艶やかさも美しく、まるで新艇のような仕上がりです。


■ フルラッピングのメリット

クルーザーやボートへのラッピングは、単なるデザイン変更だけでなく、
下地保護という大きなメリットもあります。

  • 紫外線や潮風による塗装の劣化防止
  • 小傷やスレの軽減
  • 剥がせば元の塗装をそのまま維持可能
  • 再塗装よりも短期間・低コストでイメージチェンジが可能

特にマリン仕様のフィルムは、通常のカーラッピングよりも耐久性が高く、
長期間安心してご使用いただけます。


■ まとめ

今回のクルーザーフルラッピング施工は、
オーナー様の理想をしっかり形にすることができ、スタッフ一同も非常に満足のいく仕上がりとなりました。

海上での存在感をさらに際立たせるスタイリッシュなグレートーン。
遠くから見ても圧倒的な高級感と統一感を感じられます。

「船体のリフレッシュをしたい」「オリジナリティを出したい」
という方は、ぜひフルラッピングをご検討ください。
美観と保護を両立した、理想のマリンスタイルを実現いたします。